一口税務

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儲かったお金はどこへいったのか?

2013年8月26日 月曜日

 30年弱前の若き日の修業時代のこと、お客様である社長様へ損益計算書を見ながら「~利益が出てます」と説明したところ、「お金は残ってない」と言われ返答に困ったことがありました。その頃「キャッシュフロー」という言葉は聞いたこともなく、ただ 利益+減価償却費=返済資金 くらいしか思いつかず、社長様が、「損益ではなくキャッシュフローで考えている」 とは全く理解していませんでした。つまりいくら売上(売掛金)があって利益が出ても 回収しない限りはお金は増えませんし、しかも税務上は利益が出ているということで、税金が発生することになります。

 一定期間のお金の流れの仕組みを説明したものが「キャッシュフロー計算書」です。これは収入及び支出(収支)を ①営業活動(本業による収支) ②投資活動(モノを買う、売る) ③財務活動(借入または返済) の3つの区分で表示することにより、どこでお金が増えたのか、若しくは減ったのかとその原因を突き止めることができます。仮に会計期間終了時点のお金が期首より少なくなった場合、営業活動で収入<支出なのか、もしくは営業活動ではお金が増えたのにもかかわらず、モノを買ったので、若しくは返済が多かったので とその原因がわかります。

このキャッシュフロー計算書は、6つのパターンがあります。
           営業活動   投資活動   財務活動
1.優良企業型  +プラス   △マイナス  △マイナス 本業で得たお金でモノを購入し、返済
2.積極投資型  +プラス   △マイナス  +プラス  借入して、投資
3.出直し型   +プラス   +プラス   △マイナス 不動産を売却して、返済
4.一発逆転型  △マイナス  △マイナス  +プラス  本業がマイナスなので、借入で投資
 
5.危ない    △マイナス  +プラス   △マイナス 不動産売却→本業の資金不足を補い、借入返済
6.もっと危ない △マイナス  +プラス   +プラス  本業の資金不足を不動産売却及び借入で補填

交際費の損金不算入制度に関する改正

2013年7月3日 水曜日

平成25年度 法人税関係法令の改正 において
期末資本金が1億円以下の法人(中小法人)について、定額控除限度額が年800万円に拡大されるとともに、定額控除限度額800万円達するまでの金額の損金不算入額が0とされました。これは平成25年4月1日から平成26年3月31日までの間に開始する事業年度において適用されます。

改正前    これまで(平成25年3月31日までに開始する事業年度)の損金不算入額は、
           ①支出交際費が600万円以下の場合は、その支出交際費の10%
           ②支出交際費が600万円超の場合は、 600万円を越える金額+60万円 
          とされていましたが、

改正後   平成25年4月1日から平成26年3月31日までの間に開始する事業年度
           ①支出交際費が800万円以下の場合は、全額損金算入
           ②支出交際費が800万円の場合は、800万円を越える金額が損金不算入 とされます。  

          なお期末資本金1億円超の法人は、従来通り 支出交際費の全額が損金不算入です。

教育資金の一括贈与

2013年4月1日 月曜日

平成25年税政改正で「直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の非課税の特例」が創設されました。
平成25年4月1日から27年12月31日迄に30歳未満のものが受けた贈与が対象となります。       
                                             
  概要は次の通り。                
  ①直系尊属(祖父母、父母等)が信託会社や銀行等、証券会社等と教育資金管理契約を締結すること。
                                            
 ②受贈者が、「教育資金非課税申告書」を、上記①の信託銀行等経由で税務署へ提出すること。                      
                                            
 ③贈与された金銭は、信託銀行等で教育関係の領収書を提示して初めて引き出せること 。
  つまり、一旦受贈者等が教育資金を立替える必要があること 。     
                                          
 ④非課税金額は、受贈者一人につき1,500万円を限度(学校等以外は500万円)。             
                                            
 ⑤領収書等は信託銀行等が保管。      
                                            
  ⑥受贈者が30歳になった場合に終了し、残金がある場合は、通常の贈与の対象となり課税されます。
  受贈者死亡の場合は、贈与税は課税されません。

この教育資金贈与の1,500万円非課税金額は、相続開始3年以内でも相続税の課税価格に算入されないので
相続対策に有効かと思います。  
                                             

復興特別所得税

2013年1月8日 火曜日

   平成23年12月2日に東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法
(平成23年法律第117号)が公布され、「復興特別所得税」及び「復興特別法人税」が創設されました。
 個人の方に係る復興特別所得税の概要は以下のとおりです。詳細は国税庁HPをご覧下さい。

      復興特別所得税 = 基準所得税額×2.1%

 1.事業所得者
    平成25年から平成49年までの各年分の確定申告については、所得税と「復興特別所得税」を併せて申告しなけれ
   ばなりません。
 2.給与所得者
      平成25年1月1日以降に支払を受ける給与等から、所得税に併せて「復興特別所得税」が源泉徴収されることとなり
   ます。
 3.報酬等に係る源泉徴収
       平成25年1月1日以降に支払う報酬等から、所得税に併せて「復興特別所得税」を源泉徴収することとなります。
   例えば講演料10万を手取りで支払った場合
      <平成24年12月31日迄>
         1.支払金額     100,000÷(100-10)%=111,111円
         2.源泉所得税     111,111円×10%=11,111円
      <平成25年1月1日以降>
          1.支払金額     100,000÷(100-10.21)%=111,370円
          2.源泉所得税     111,111円×10.21%=11,370円